【2020年秋アニメ】ランキング・評価理由(番外編)

 本田(@someonehonda)です。

 初ブログに当たる私の記事を見て無能なナナを見始めたって友達がいて嬉しかったです。そもそも友達がいるって嬉しいね。

 過去のリンクはこちらに貼ります。読みにくいって心の声が聞こえた気がしたので、文体を修正した他、ランキングの目安も無かったので前編の方に追加しました。

【2020年秋アニメ】ランキング・評価理由(前編) - someonehonda

【2020年秋アニメ】ランキング・評価理由(後編) - someonehonda

 番外編として今回書くのはGREAT PRETENDERだけです。

 夏・秋の2クール通してのアニメなので、他の秋アニメと完全に足並みを揃えた評価は出来ませんが、どうしても、もっと多くの人に見て欲しいと思ったので単独で記事にしました。

 2020年覇権アニメを議論するなら少なくとも必ず候補に挙がるレベルでオススメです。

かくしごとにも負けず、呪術にも負けず

西でグレプリ未視聴勢が2020年覇権アニメ決め会議を行なへば、行って以下のコピペを貼りつける。

東で(以下略)

 

GREAT PRETENDER (S++)

 最強アニメ。まず背景がカッコ良すぎる。段階的なベタ塗りのような、他のアニメと全く印象が異なる鮮やかさで、これだけで見る理由になる。

 私の持っている浅い経験と知識によると、普通アニメは動かない背景の上で絵を動かすので、よっぽど特別なシーン以外では、背景は手前のキャラ等に集中させるために主張が少なく無難な感じ(線が少なめな写実的描写など)になる。このような描写は、動画部分と背景部分の境界がハッキリするので、例えば数カット以内に売り場に積まれたリンゴとキャラが手に持って丸かじりするリンゴが両方描かれる場合、リンゴの絵が背景とアニメ絵の境界をまたぐことになり、リンゴの描写が大きく変わり不自然な印象になる。背景のリンゴをアニメ塗りにするなら背景も併せて全部アニメ塗りになる必要があり、相当安っぽくなる。逆に背景のタッチのまま動かせば、描写に特別な印象を与える意図でもないとコストに見合わない。

 しかし本作の、細かいベタ塗りのような背景の手法なら、手前のキャラのアニメ塗りと手法に親和性があるため、背景にあった物を別のカットで手に取っている何気ないシーンも自然に感じた。しかも、こういったアニメ塗りに親和性のある背景にも関わらず、魅せる背景の場面もバカ強く、背景カットがそのままTシャツなどのグッズに使われ商品化されているくらいである。

 ちなみにこの鮮やかでオシャレな背景の上で動くキャラも、それに相応しいスマートさ、かつ人間味やユニークさ・コメディチックな印象も強く持っているし最強だな、と、この記事を書きながら気づいた。文章にするの不可能すぎワロタ。実は、エヴァのキャラデザも手掛けられた超有名な方によるキャラデザ。

 と、このように、鮮やかで目を引く背景なのにアニメと両立出来ていて、最強を感じた。

 

 グレプリの強みはまだまだこんなものではない。脚本イケすぎ問題である。ドラマ「リーガル・ハイ」の脚本家がグレプリの脚本を手掛けているのでアツい。このドラマは、堺雅人が、裏工作も厭わない無敗の毒舌弁護士・古美門として圧倒的セリフ量と人生哲学で訴訟関係者(≒社会)に毒づくのが気持ちよく、放送当時も相当な人気だったと記憶している。筆者はこの作品に多分に影響を受けて法学部に入学、留年、卒業見込みである。

 グレプリ脚本の大まかな流れを書く。舞台は現代。東京でちんまい詐欺をやって生計を立てていた枝村真人が、外国人詐欺師ローランに嵌められ、彼の属する国際詐欺集団に入ることになる。それからは、仲間たちと共に①ロサンゼルスでマフィアに、②シンガポールでエアレース主催の富豪に、③ロンドンで美術鑑定商のカリスマに、そして最後に④日本と上海で人身売買の反社会組織に、交渉を持ち掛けて乗せて騙し、大金をぶんどろうとする、というもの。

 フォーマットとしての良さを語ると、第一にそれぞれの章(数話)で一旦の結末を迎えるので、情報過多による混乱が起きにくい。そして第二に、章ごとに場所が大きく変わることで上述の鮮やかな背景がガラっと変わるので、そこでも楽しむことが出来る。そして第三。普通は、話数を分けることで全体の話が進まない等デメリットがありそうにも思えるが、グレプリは章を追うごとに自然に情報が明かされていきストーリーの深度が深まっていく。ストーリーの進行と共に枝村や詐欺集団の来歴や悪党との因縁が明らかになり、それを克服していくという側面が大きくなる。アニメを見る前からストーリーは始まっていたのである。

 中身の良さを語ると、第一に、悪党しか騙さないし殺しもしないという主人公集団の指針のおかげで気持ちよく、しかし失敗すると命が飛びかねない状況で、スリル満点に見れる。第二に、時に視聴者視点にもミスリードやトリックが仕込まれていて、騙される気持ちよさが楽しめる。第三に、謎を秘めていたキャラが、話数を追うことで過去が明かされることによって、それまで見てきた事件での感情等が明らかになったときのキャラへの愛着。最終的には詐欺集団よ永遠に!と心酔しきりになること請け合い。彼らに騙されているのかもしれないね。(うまい)

 

 最後に、OP,EDもカッコ良くてクセになる。ベースから始まるほぼ「Tank!」なノリノリジャズに、線がなく切り絵のような画で、本編で登場する小道具や舞台が仕掛け絵本のように動くOP。EDはフレディ・マーキュリーの歌う「The Great Pretender」で、本編でも出番の多い猫が主役の、OP同様線のないアニメ。EDの内容は序盤は意味が分からないけど後半になるとそういうことだったのか!となってたまらなくなる。

 

 

 総合して、背景やキャラや音楽のオシャレ感とスリリングな騙し合いを楽しんでいる間に過去のストーリーが回収され世界が深くなっていき、継続視聴する他なくなる無敵のアニメなので、「S++」としました。

 ちなみにTV放送を終えた今はNET FLIXでしか見れないので、初月無料とか数人でファミリープラン分けっことか友達の垢借りるなりで頑張って見てください。